DOCTOR’S MAGAZINE 2022年12月号を発刊しました
本号では、新潟大学大学院 医歯学総合研究科 小児科学分野 教授である齋藤昭彦氏を特集しました。齋藤氏は、日本の小児感染症分野を確立したパイオニアで、日本で生まれた子どもなら誰もが受ける予防接種のスケジュールを、日本小児科学会の活動を中心に最初に作った医師です。聖路加国際病院でのレジデント時代に、米国感染症専門医の青木眞氏に言われた痛烈な一言で留学を決意し、米国で13年間の研鑽を経て、日本人初の米国小児感染症専門医になりました。帰国後、国立成育医療研究センターで感染症科を立ち上げ、小児感染症専門医制度を作るなど世界標準から大きな遅れを指摘されていた小児感染症分野の発展に大きく寄与しました。人生で一番貧しい留学時代にロサンゼルスでの厳しい研修時代を経て、ワクチンの同時接種の概念も浸透していない日本で予防接種の重要性を広め、感染症のゲートキーパーとなった齋藤氏の物語をぜひご一読ください。
その他、「特集 -SPECIAL FEATURE-」では、2014年に発足した「地域医療機能推進機構(JCHO)」を取り上げました。JCHOは全国57病院、病床数1万5227床を擁し、地域医療を担っています。今年、尾身茂氏に代わって山本修一氏が2代目理事長に就任されたことを機に、JCHOが新たに取り組む6つの柱と、医師の働き方改革への取り組みについて伺いました。「クロストーク特別編」では、「これからの医師の情報発信の在り方」をテーマに、当誌の連載でもおなじみ『こわいもの知らずの病理学講義』の著者・仲野 徹氏と、『すばらしい人体』の著者”けいゆう先生〟こと山本健人氏の対談を行いました。TV、新聞、SNSなど様々なメディアで活躍中のお二人に、医師が情報発信をする意義やメディアの活用方法についてお話いただきました。「押し売り書店 仲野堂」では、ホルモン、免疫、皮膚に関するトップレベルの医学本を3冊紹介。隔月連載「大藤剛宏先生のカタール冒険譚」では、日本とカタールとの働き方の違いのひとつである「人生における仕事の割合」について取り上げています。今月も、全国各地で活躍する医師や医療法人を様々な観点からご紹介しています。
<DOCTOR’S MAGAZINE 2022年12月>
■ドクターの肖像
新潟大学大学院 医歯学総合研究科 小児科学分野 教授
齋藤 昭彦
■Doctor’s Opinion
“肝移植医療~今は昔~”
国立研究開発法人 国立成育医療研究センター 院長
笠原 群生
■連載コラム
押し売り書店“仲野堂” #11
大阪大学 名誉教授
仲野 徹
■特集 -SPECIAL FEATURE-
JCHOの今とこれから
新たに取り組む6つの柱と目前に迫る働き方改革について
■Dr.徳田のクリニカルパールズ
突然の胸痛の原因は?
■Cross Talk Deluxe -クロストーク特別編:医師が発信するということ-
大阪大学 名誉教授
仲野 徹
北野病院 消化器外科 腫瘍研究部医員・研究員
京都大学医学部附属病院 iACT 研究員
山本 健人
■臨床研修指定病院紹介
川西市立総合医療センター
独立行政法人 国立病院機構 豊橋医療センター
■専門医研修紹介
静岡家庭医養成プログラム 総合診療専門研修プログラム
南砺市民病院
■医療過誤判例集
PCI後に心電図モニターを定期的に監視する義務の違反と救命可能性
■医局紹介
山口大学医学部 脳神経外科学講座
北里大学医学部 外科学教室
■SPECIAL COLUMN
肺移植医 大藤剛宏先生のカタール冒険譚 Episode.11
■Medical Topics/Student’s Voice
メディカルトピックス/医学生の声