DOCTOR’S MAGAZINE 2023年1月号を発刊しました
本号では、東京大学医学部附属病院 病院長 消化管外科学 教授 / 胃・食道外科 科長瀬戸 泰之氏を特集しました。瀬戸氏は、患者のQOLを高めることに人生を捧げ、世界一低侵襲なロボット支援食道がん根治手術“NOVEL”を開発しました。食道がんは、胸から腹を大きく開き、肺を潰す侵襲の大きい手術が一般的です。しかし、NOVELは、頸部に3.5㎝のポートを入れる小さな穴の切開で完結し、患者は翌日ベッドで読書ができるほど回復が早い画期的な手術です。高校時代はバスケにのめり込み一浪しながらも、全国模試4000番台から30番に上り詰め、東大理Ⅲへ進学。その後、父と同じ外科医の道を選択し、手術経験を積み上げました。現在では、がん細胞のある箇所を光らせる酵素による研究も進め、10年以内に細胞レベルでの早期診断とロボット手術を合体させ、「がんだけを取ること」を目指しています。「理想的な手術とは、その前後でQOLが変わらないことだ」と語る瀬戸氏の伝統の継承と革新の物語をぜひご一読ください。
「Challenger -挑戦者-」では、信州大学医学部小児医学教室 教授中沢 洋三氏を特集しました。中沢氏は、白血病をはじめとする難治性がんの子どもを救うべく、世界初の免疫療法の開発を行っている次世代がん医療のトップランナーです。アオムシの酵素を用いた“非ウイルス遺伝子改変CAR-T細胞療法“は、「治療法がない」と言われた患者を救う希望として注目されていますが、初めは「ゴミ箱行き」と言われた研究でした。多くの壁を乗り越えながら、実用化に向けて奮闘する中沢氏の流儀に迫ります。
その他「FORTE-日本列島病院探訪-」では、全国でも数少ないこども病院を併設している沖縄県立 南部医療センター・こども医療センターを特集しました。小児の救命救急も受け入れているほか、新たに脳卒中センターを開設し、脳卒中の超急性期対応を強化しています。今月も、全国各地で活躍する医師や医療法人を様々な観点からご紹介しています。
<DOCTOR’S MAGAZINE 2023年1月>
■ドクターの肖像
東京大学医学部附属病院 病院長
消化管外科学 教授 / 胃・食道外科 科長
瀬戸 泰之
■Doctor’s Opinion
“睡眠とその障害の未来”
獨協医科大学 副学長
平田 幸一
■連載コラム
押し売り書店“仲野堂” #12
大阪大学 名誉教授
仲野 徹
■Challenger-挑戦者-
信州大学医学部 小児医学教室 教授
信州大学遺伝子・細胞治療研究開発センター長
中沢 洋三
■Dr.徳田のクリニカルパールズ
長期間の倦怠感の原因は?
■FORTE -日本列島病院探訪-
沖縄県立南部医療センター・こども医療センター
■臨床研修指定病院紹介
社会福祉法人 函館厚生院 函館五稜郭病院
社会医療法人 さいたま市民医療センター
■専門医研修紹介
医療法人財団 明理会 新松戸中央総合病院
JA 福島厚生連 白河厚生総合病院
■医療過誤判例集
新生児が心疾患により死亡した事案において、カルテの信用性を否定し、解剖所見等の証拠に基づいて医師における患児の症状の把握および専門病院への転送を内容とする注意義務違反を認めた裁判例
■医局紹介
東京女子医科大学 循環器内科
大阪大学大学院医学系研究科 小児成育外科学
■Medical Topics/Student’s Voice
メディカルトピックス/医学生の声