DOCTOR’S MAGAZINE 2023年9月号を発刊しました
本号では、アメリカ国立衛生研究所(NIH)/国立がん研究所(NCI)主任研究員 関西医科大学 特別教授 光免疫医学研究所 所長小林久隆氏を特集しました。小林氏は、「真の意味で患者ファーストのがん治療法を確立させたい」との思いでアメリカに渡り、約30年の年月をかけて、第五のがん治療法として期待されている「光免疫療法」を開発しました。光免疫療法は、特殊な薬剤IR700を搭載した抗体を投与し、抗体ががん細胞にくっついたタイミングで近赤外線という光を照射し、光のエネルギーによって、がん細胞のみを破壊する治療法です。しかし、正常細胞を傷付けず、がんだけを殺し、再発も防ぐ治療法を確立するまでには、数十年におよぶ試行錯誤の日々が必要でした。徹底的にコストを下げた治療法には、資金難にあえいだ「貧者のプライド」がありました。「人ががんから解放される未来のため」に歩んできた小林氏の軌跡を辿ります。
「Challenger -挑戦者-」では、薬でがんを治すという目標に向けて邁進する国立がん研究センター東病院消化管内科科長の設楽紘平氏を取材しました。設楽氏は、胃がんの新薬開発に向けた臨床試験を精力的に行い、最新のがん薬物治療を次々につくり出す世界が認める腫瘍内科のトップランナーです。日本のドラック・ラグを解消するため、患者の生きる希望を断たないために。今、治せないがんを薬で治せるように、研究と臨床に力を注いでいます。
「FORTE-日本列島病院探訪-」では、二次救急病院として、救急医療とがん診療に重点を置く大阪府済生会野江病院を特集しました。センター機能を高め、内科と外科の連携を強めることで、患者が治療の網目からこぼれ落ちることのない体制を築いています。「Doctor’s Opinion」では、豪雨による水害に被災した新潟県関川村で、村唯一の診療所である関川診療所 所長 平田 丞氏が災害医療に尽力した際の手記の他、「押し売り書店 仲野堂」では、“読めば賢くなれる良書”として「量子論」に関する3冊を取り上げました。今月も、全国各地で活躍する医師や医療法人を様々な観点からご紹介しています。
<DOCTOR’S MAGAZINE 2023年9月>
■ドクターの肖像
アメリカ国立衛生研究所(NIH)/国立がん研究所(NCI)主任研究員 関西医科大学 特別教授 光免疫医学研究所 所長
小林久隆
■Doctor’s Opinion
“村の医療機関がどうやって災害に対峙したか”
関川村国民健康保険 関川診療所 所長
平田 丞
■連載コラム
押し売り書店“仲野堂” #20
大阪大学 名誉教授
仲野 徹
■Challenger-挑戦者-
国立がん研究センター東病院 消化管内科 科長
先端医療科 先端医療開発センター 新薬臨床開発分野
設楽紘平
■Dr.徳田のクリニカルパールズ
血清Mg が上昇した原因は?
■FORTE -日本列島病院探訪-
社会福祉法人 恩賜財団 大阪府済生会野江病院
■臨床研修指定病院紹介
学校法人獨協学園 獨協医科大学病院
学校法人藤田学園 藤田医科大学 岡崎医療センター
■専門医研修紹介
千葉市立海浜病院
医療法人徳洲会 湘南藤沢徳洲会病院
■医療過誤判例集
診療録等に記載のない事項の裁判上の取り扱い
■医局紹介
北海道大学大学院医学研究院 整形外科学教室
山形大学医学部附属病院 第一外科
■Medical Topics/Student’s Voice
メディカルトピックス/医学生の声