DOCTOR’S MAGAZINE 2025年4月号を発刊しました
本号では、「ドクターの肖像」にて、佐久総合病院 統括院長の渡辺 仁氏を特集しました。佐久総合病院は、「農村医学の父」と呼ばれる若月俊一氏の「農民とともに」の志を受け継ぎ、地域に密着した医療を現在に至るまで展開しています。渡辺氏は、父の転勤を機に、村の診療所で病気を治してもらったことがきっかけで、医師の道を志しました。そして、佐久の地で農村医療を確立し、国内外に知られる医師であった若月氏に惹かれて、脳神経外科医として佐久総合病院に赴任し、1947年から続く病院祭の開催など地域に溶け込みながら、医療の研鑽を積みました。
2014年には、本院の老朽化により、800床規模の病院を、新たな医療政策により高度専門医療を担う450床の佐久医療センターと、総合診療や訪問診療、保健予防活動を担う309床の本院へ分割しました。病院機能の分割後は、分化によって混乱を生じたことがあったものの、地域住民と職員が懇談する「車座集会」を開き、病院が抱える課題と住民が求める医療について、双方のギャップを埋めるために奮闘しました。「医療とは、住民が求めることにどう応じられるかです」と語る、人の心の中へやさしく入る地域医療活動家である渡辺氏の足跡をたどりました。
「Challenger -挑戦者-」では、埼玉協同病院 整形外科部長/関節治療センター 副センター長 桑沢綾乃氏を特集しました。桑沢氏は、人工膝関節置換術で国内トップクラスの症例数を持つ整形外科医です。国内最年少の人工関節の指導医である桑沢氏の細やかで精度の高い手技を学びたいと、全国から医師が手術見学に訪れています。3種類の手術支援ロボットを使いこなし、疼痛管理と再生医療にも取り組みながら、人工膝関節手術のさらなる高みを目指し続ける桑沢氏の挑戦を追いました。
その他、「FORTE -日本列島病院探訪-」では、神奈川県立がんセンターを特集しました。同院は、人口920万人を超える神奈川県では唯一の都道府県がん診療連携拠点病院であり、ゲノム医療と重粒子線治療をリードし、国内最高峰の治療を行っています。がん治療の粋を集めた取り組みや今後の展望について、酒井リカ院長にお話を伺いました。
「押し売り書店“仲野堂”」のコーナーでは、量子力学、数学、精神医学など少し変わった読書体験ができる3冊をご紹介いたします。今月も、全国各地で活躍する医師や医療法人を様々な観点からご紹介しております。
<DOCTOR’S MAGAZINE 2025年4月>
■ドクターの肖像
JA長野厚生連 佐久総合病院 統括院長
渡辺 仁
■Doctor’s Opinion
“肝がん治療のゆくえ”
日本赤十字社 武蔵野赤十字病院 統括管理監・名誉院長
泉 並木
■連載コラム
押し売り書店“仲野堂” #39
大阪大学 名誉教授
仲野 徹
■Challenger-挑戦者
埼玉協同病院 整形外科部長
関節治療センター 副センター長
桑沢綾乃
■Dr.徳田のクリニカルパールズ
急な下腹部の違和感の原因は?
■FORTE -日本列島病院探訪-
地方独立行政法人 神奈川県立病院機構 神奈川県立がんセンター
■臨床研修指定病院紹介
愛媛県立中央病院
国家公務員共済組合連合会 横浜栄共済病院
■専門医研修紹介
地方独立行政法人 東京都立病院機構 東京都立広尾病院
日本赤十字社 福井赤十字病院
■医療過誤判例集
胸骨圧迫開始までの約4分50秒間
■医局紹介
近畿大学医学部 産科婦人科学教室
東京女子医科大学病院 腎臓病総合医療センター
■Medical Topics/Student’s Voice
メディカルトピックス/医学生の声