DOCTOR’S MAGAZINE 2024年10月号を発刊しました
本号では、徳島大学大学院 医歯薬学研究部 運動機能外科学(整形外科)教授 西良浩一氏を特集しました。腰痛を訴える患者数は、日本全国で3000万人を超え、その85%は原因不明の「非特異的腰痛」と診断されています。「腰痛には必ず理由があり謎ではない」と言い切る西良氏は、脊椎・腰痛専門のスーパードクターであり、その謎解きの答えを求めて、トップアスリートや一般の患者たちが、日本全国・世界から徳島大学へ訪れています。西良氏は、「脊柱管狭窄症」の治療法として、低侵襲手術を極め、患者への負担が少ない局所麻酔での内視鏡手術法FED(Full-Endoscopic Spine Surgery、全内視鏡下脊椎手術)を生み出しました。局所麻酔、8㎜切開が特徴であるこの手術法は、手術直後に、患者は腰の痛みから解放され、2時間後に歩行可能となります。また、西良氏は、患者への問診から理学および画像診断、局所麻酔手術、リハビリ・予防までの知見とノウハウを集約した書籍『非特異的腰痛の解体新書』を2023年に出版し、整形外科医療を進化させました。「impossibleというつづりは、I’m possible〝私にはできる〟なのです」と語る西良氏は、不可能と言われる未知の領域に、今も挑み続けています。
「Challenger」では、京都大学医学部附属病院 総合臨床教育・研修センター 准教授/島根大学医学部附属病院 総合診療医センター 客員教授 和足孝之氏を取材しました。和足氏が客員教授を務める島根県は、総合診療の専攻医の割合が日本一多い県です。その人気の火付け役として、センター長の白石吉彦氏と共に総合診療医を育成するためのしくみをつくり上げました。ミシガン大学での留学を終え、2024年4月から京都へと活躍の場を広げ、日本の医学教育の根本的な改革を目指す和足氏の挑戦を追いました。
その他、「Case Study[特別企画]」では、人口が全国17位の約192万人で、医師少数県でもある岐阜県を特集しました。県内の若手医師育成に尽力する岐阜大学医学部附属地域医療医学センター長・教授の牛越博昭氏と、3人の専攻医による座談会を開催し、岐阜県の医療と専門研修の魅力を取材しました。今月も、全国各地で活躍する医師や医療法人を様々な観点からご紹介しています。
<DOCTOR’S MAGAZINE 2024年10月>
■ドクターの肖像
徳島大学大学院 医歯薬学研究部 運動機能外科学(整形外科)教授
西良浩一
■Doctor’s Opinion
“難聴と認知症~日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会の取り組み~”
日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会 前理事長
村上信五
■連載コラム
押し売り書店“仲野堂” #33
大阪大学 名誉教授
仲野 徹
■Challenger-挑戦者-
京都大学医学部附属病院 総合臨床教育・研修センター 准教授
島根大学医学部附属病院 総合診療医センター 客員教授
和足孝之
■Dr.徳田のクリニカルパールズ
不安感や動悸の原因は?
■Case Study -特別企画-
地域医療のカタチ「岐阜県」
優れた指導医と“オール岐阜体制”で、真に実力ある医師を育成
■REPORT×レジナビFair
未来の医療を担う架け橋
“レジナビフェア”の進化と展望
■臨床研修指定病院紹介
地方独立行政法人 東千葉メディカルセンター
医療法人徳洲会 八尾徳洲会総合病院
■専門医研修紹介
東京都立病院機構 東京都立駒込病院
社会医療法人財団董仙会 恵寿総合病院
■医療過誤判例集
電子カルテ上の「転室・転床」操作でアラーム設定が上書き
■医局紹介
筑波大学附属病院 消化器内科
高知大学医学部 外科学講座
■Medical Topics/Student’s Voice
メディカルトピックス/医学生の声